Audible愛用9年の70歳が気づいた「AI音声の違和感」――脳科学が出した、はっきりした答え

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今朝、いつものように聞く読書・Audibleで本を聞いていて、ふと「あれ、なんか違う」と感じました。

聞いていたのは、イギリス在住の谷本真由美さんによる人気シリーズ『世界のニュースを日本人は何も知らない』の最新刊、シリーズ「7」です。

私はこのシリーズの大ファンで、「1」から欠かさず聞いてきました。

それなのに、なんとなく違和感がある。

嫌だというほどではないけれど、何かが引っかかる。よく確かめてみたら、原因がわかりました。

読み手がデジタルボイス――つまりAIによる合成音声に、いつのまにか、変わっていたのです。

これだけなら「ふーん」で終わる話なのですが、私はAudible歴9年、聞いた本は数千冊を超えます。

長年の経験で何かを感じ取った以上、ちょっと調べてみたくなりました。

すると思いがけないことに、世界中の脳科学者たちが、同じ違和感を研究の俎上に乗せていたのです。

今日は、そのお話をしますね。

目次

Audibleを9年使ってきた70歳の、ある朝の気づき

私がAudibleを使い始めたのは2017年。

当初は月額1,500円(税込)で「ワンコイン制」というシステムでした。

月1個のコインがもらえる。そのコインで1冊、どんなに高い本でも交換できる仕組みです。

しかし、欲しい本が1冊ではおさまらず、結局、有料追加で50冊以上を購入したのを覚えています。

その後、Audibleは聞き放題サービスに変わり、私のハマり方は一段階上がりました。

今では月に50冊前後、スキマ時間に聞き続ける生活です。

65歳の実妹に数年前にすすめたら、彼女も同じくハマっています。

通勤時や夕飯の料理時などのスキマ時間で本が読めると大好評。

聞く読書・Audibleは、しかも目が疲れない――「じじばば」にとっては、本当にありがたいサービスです。

そんな筋金入りのリスナーである私が、今朝、シリーズ7を聞いていて「なんか違う」と感じた。

実は、シリーズの「1」から「4」までは人間のナレーターが読んでいて、その声に親しんでいたという記憶があったのですね。

それが「5」からデジタルボイスになり、今朝の「7」でそれに気づいたという次第です。

デジタルボイスだからと言って、聞けないわけではない。

むしろ、フツーに聞き続けられる。

でも、何かが違う。

その「何か」を、私は最初うまく言語化できませんでした。

「気のせいかな」と思ったけど、ちゃんと理由があった

調べてみて驚きました。

同じ違和感を、ノルウェーの脳科学者たちがきちんと研究にしていたのです。

ノルウェー・オスロ大学のChristine Skjegstad氏らによる研究で、2024年6月にウィーンで開催されたFENS Forum 2024(欧州神経科学連合フォーラム)で発表されました。

被験者にヒトの声とAI音声を聞かせながら、fMRIという脳の活動を画像化する装置で脳の反応を測定した研究です。

結果は、はっきりしていました。

人間の声を聞いたときは、脳の中の「記憶」を司る部分(右海馬)と、「共感」を司る部分(右下前頭回)の活動が強まりました。

一方、AI音声を聞いたときは、脳の中の「エラー検出」を司る部分と、「注意の集中」を司る部分が強まったのです。

これをやさしく言い換えると、こうなります。

人間の声を聞いているとき、脳は「覚えよう」「感じよう」というモードで働いている。

AI音声を聞いているとき、脳は「何かおかしくないか確かめよう」「集中して聞き取らなきゃ」というモードで働いている。

つまり、人間の声は染み込み、AIの声は確認しながら聞いている――そういうことだったのです。

私が今朝聞いたシリーズ「7」で感じた違和感は、まさにこれだったのでしょう。

しかも、もっと興味深いことがあります。

この研究では、被験者自身は「これは人間の声」「これはAI音声」をほとんど正しく当てられませんでした。

意識のレベルでは聞き分けられないのに、脳はちゃんと違いを感じ取っている。

私がAudible歴9年でようやく「うっすら違和感」として気づけたのは、長年の聴取で耳が鍛えられたからかもしれません。

オーディオブックにぴったりの研究もありました

もうひとつ、私のような長年のオーディオブックリスナーには見逃せない研究があります。

スペインのポンペウファブラ大学のEmma Rodero氏らが、2023年に発表したものです。

こちらは脳の画像ではなく、オーディオブックそのものを使った比較実験でした。

結果はすべての項目で、人間の声が勝ちました。

人間の声で聞いた物語の方が、聞き手はより楽しめて、頭の中により多くのイメージが浮かんで、物語に没入できて、注意を払えて、感情がポジティブに動いて、そしてより多くの情報を記憶できた――しかも、より少ない努力でそうなったというのです。

論文の結論はこうでした。

「合成音声は、長い物語を語るには、まだ困難がある」。

「70じじい」リスナーとしては、これは本当に「やっぱりね」という結果です。

私がシリーズ「7」で感じた違和感、私が「人間ナレーターのほうがすっと入ってくる」と思う感覚――これらは、気のせいではなかった。

世界中の研究者が、同じ方向で同じ結論を出していたのです。

じゃあAI音声は悪なのか?――いえ、そうでもありません

ここで早とちりしないようにしたいのです。

「AI音声は脳によくない、人間の声に戻すべき」と言いたいわけではありません。

実は、NHKのニュースでも「以下、AI音声で読みます」というかたちで、AI音声によるニュース読み上げが導入されています。

コスト削減もあるでしょうし、24時間体制の情報配信に人間ナレーターを張り付かせるのは現実的ではないという事情もある。

情報を正確に届けるという用途であれば、AI音声でも十分機能します。

実際、別の研究では「ドキュメンタリーや事実情報の伝達では、人間音声とAI音声の差は小さかった」という結果も出ています。

感情を動かしたい文脈では人間の声、情報を伝える文脈ではAI音声――こういう棲み分けが、すでに静かに始まっているのです。

私の感覚としても、ニュースのデジタルボイスにはあまり違和感を持ちません。

情報として聞いているからでしょう。

でも、谷本真由美さんの本のように、書き手の人柄や考え方をじっくり味わいたい本では、人間ナレーターの方がやはりすっと入ってくる。

つまり、二者択一ではなく、グラデーションなのです。

ことブログ「70-ai.jp」を書いていてつくづく思いますが、AIに関わる話題は、白か黒かで決めつけると本質を見失います。

「制限せず、賢く付き合う」――これが、「70じじばば」世代がこれから身につけるべき構えだろうと思っています。

「70じじばば」にこそAudibleをおすすめしたい

ここまで書いてきて、それでも私は声を大にして言いたいのです。

Audibleは「70じじばば」に本当におすすめのサービスだと

理由はシンプルで、私たち70じじばば世代は、目が悪くなってきます。

文庫本の小さな文字を追うのは正直つらい。

老眼鏡をかけても疲れる。

そんなとき、耳で読めるオーディオブックは救世主のような存在です。

しかも、スキマ時間で読めます。

私は散歩中、料理中、布団に入ってから、入浴中まで聞いています。

両手が自由なまま、本を1冊ずつ片付けていける。

月50冊という冊数も、文字で読もうとしたら絶対に不可能ですが、耳ならできてしまうのです。

実妹を見ていてもそうですが、Audibleにハマる人は、本当に深くハマります。

ひとつだけ、これからのAudibleとの付き合い方として、ちょっとした選書のコツをお伝えします。

サブスクスタートするなら、「30日間の無料体験」をして、サンプル試聴をしてみて、ご自身の耳で人間ナレーターかAI音声かを確かめること。

_/_/_/

私は今後、特に小説や思想書を選ぶときは、人間ナレーターの作品を優先するつもりです。

情報系の本ならAI音声でも問題なし、というように、自分なりのグラデーションで選んでいけばいいと思います。

まとめ:違和感を抱いたら、ちょっと調べてみるといいかも(^_^)/

今日のお話をまとめます。

Audible愛用9年の70歳である私が、最新の谷本真由美さんのシリーズ「7」で感じた違和感。

それは気のせいではなく、ノルウェーの脳科学者とスペインのオーディオブック研究者が、同じ方向で確かめていた現象でした。

人間の声は脳に染み込み、AIの声は脳が確認しながら聞いている――これは、現時点で確かめられている事実です。

でも、それは「AI音声は悪」という結論ではありません。

これからAI音声は、情報伝達の分野で確実に増えていきます。

私たちは、文芸は人間の声、情報はAI音声と、賢く使い分けていけばいい。

そのうえで、ご自身の耳の感覚を信じてください。

70年生きてきた耳は、思っているより敏感です。

違和感を抱いたら、それには理由があるはずですから。

Audibleでの読書、これからも一緒に楽しんでいきましょう。

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