ちょっと過激なタイトル、物言いでごめんなさいね。
さて、「物事、繰り返しが大事」とはよく言われます。
でも、何回繰り返せばいいのか、どうやって繰り返すのか、具体的に教えてくれる人はなかなかいません。
私は20年前の漢検2級受験で、頻度順別テキストを100回繰り返して200満点中191点の成績で合格しました。
そして今、経緯は省略しますが、70歳で漢検2級に再挑戦するプロセスでも、同じ方法を実践しています。
ところで、繰り返しには「仕組み」と「質」の両方が必要です。
やみくもに回数を重ねても、効果は半減します。
この記事では、レ点とマーカーを使った繰り返しの具体的な手順と、1回ごとの質を高める「三感フル動員」の勉強法を、実体験をもとにお伝えさせていただきます(^_^)/
- 100回繰り返しの具体的な手順(レ点フェーズ・マーカーフェーズ・総ざらいフェーズ)
- 1回ごとの質を決める「三感フル動員」のやり方と、その科学的な裏付け
- 「本を汚したくない」という意識を手放すべき理由
その0〜100回繰り返しとは何か
「100回繰り返す」と聞いて、最初から最後まで通しで読むことを100回繰り返すと思った方は、少し待ってください。
それは体力的にも時間的にも現実的ではありません。
ここで言う「100回」は、通し・部分・総ざらいを組み合わせた結果として、自然と100回相当になるという意味です。
仕組みさえ作れば、気づいたときには100回になっている。
それがこの方法の本質です。
また、もう一つ重要なことがあります。
繰り返しには「仕組み(回数)」と「質(1回ごとのやり方)」の両方が必要です。
どちらか一方では足りません。
この記事では、この2つをセットでお伝えします。
その1〜繰り返しの「仕組み」。レ点フェーズ
漢検2級のテキスト繰り返しは、大きく3つのフェーズに分かれています。
最初はレ点フェーズです。
全設問を通してやりながら、弱点を炙り出していきます。
1回目:全設問を通しでやる
まず、テキストの最初から最後まで、全設問を通してやります。
このとき、間違えた設問・自信がなかった設問・書けなかった設問には、レ点(✓)を書き込みます。
正解した設問には何も書きません。
ここで重要なのは、書き込みをためらわないこと。
テキストは汚してなんぼです(このことは後の章で詳しく説明します)。
2回目:レ点設問だけをやる
1回目が終わったら、2回目はレ点がついた設問だけをやります。
全設問をまたやり直す必要はありません。
このとき、また間違えた設問には、2つ目のレ点を書き込みます。
つまり、レ点が1つの設問と2つの設問が混在するようになります。
レ点が2つ以上ある設問は、あなたにとって「本当の弱点」です。
後のフェーズでとくに重点的に取り組む設問になります。
3〜5回目:レ点設問の繰り返し
3回目以降もしばらくは、レ点が1つでもついている設問だけを繰り返します。
正解してもレ点は消しません。
次の全通しのタイミングまで、そのままにしておきます。
この段階で、レ点設問が付いた設問でも、だんだんと正解が書けるようになってくることを実感するはず。
「解ける問題が増えてきた」という手応えは、あなたに「ワクワク」という気持ちを起こしてくれます。
この「ワクワク」は、繰り返しの推進力となります。
その2〜繰り返しの「仕組み」。マーカーフェーズ
レ点を数回繰り返したら、次のフェーズに移ります。
マーカーを使って、弱点の「精度」を上げていきます。
6回目:もう一度、全通し。今度はマーカー色①
レ点での繰り返しを5回程度行ったら、もう一度、全設問を最初から最後まで通してやります。
このとき、間違えた設問にはマーカー色①(例:黄色)でチェックを入れます。
レ点とは別の印ですね。
全通しをすることで、「レ点ではつぶしたつもりだったが、実はまだ定着していない設問」が浮かび上がってきます。
これが次の重点課題になります。
マーカー①設問の繰り返し
マーカー①がついた設問を繰り返します。
レ点だけが付いている設問は、マーカーフェーズで正解したので、今回はスルーです。
そして、また間違えたら、二個目のマーカー①でチェックマーク。
マーカーが2個になった設問は、現時点で手強い弱点です。
集中して取り組みます。
再び全通し。今度はマーカー色②
マーカー①設問をある程度繰り返したら、また全通しをします。
このとき、マーカー色②(例:ピンク)に切り替えます。
色を変えることで、「いつの段階でつまずいたか」が視覚的にわかるようになります。
マーカー色が重なっている設問ほど、あなたの核心的な弱点です。
その3〜繰り返しの「仕組み」。総ざらいフェーズ
レ点、そして、マーカーをいくつか重ねたら、総ざらいフェーズに入ります。
全チェック設問の総ざらい
レ点・マーカー色①・マーカー色②など、とにかく何かチェックがついている設問をだけに限定して、まとめて、通しでやります。
この段階では、チェックの種類は関係ありません。何かチェックがある=まだ完全に定着していない設問です。
「全チェックゼロ」がゴール
次には、マーカー色を変えたりして、繰り返します。
この繰り返しを続けていくと、レ点、マーカー等、何かのチェックが付いた設問が増えることが止まります。
あなたの頭にそれらの弱点設問の内容がしっかり記憶として入って、随時、引き出せるようになってきたのです。
最終的なゴールは、もう一回全通しでやっても、チェックが付く設問がゼロになることです。
チェックがゼロということは、全設問を正確にアウトプットできるようになったということ。
それが合格レベルの証明です。
実際の漢検2級試験は、この繰り返しテキスト外の設問が出て、あなたはそれができないかもしれません。
それでも、あなたは、合格の目安とされる200点満点中の80%、160点は軽く超える実力になったわけです。
通算100回への到達
以上のプロセスを続けると、通し・部分・総ざらいを組み合わせた結果として、自然と通算100回相当になります。
20年前の私の経験では、約2ヶ月くらいでこの状態に到達しました。
激務のサラリーマン時代だったので、1日の勉強時間は、行き帰りの電車のなかだけ。
決して長くはありませんでした。
こつこつ続けることが、唯一の条件です。
その4〜繰り返しの「質」。三感フル動員
ところで、この仕組みだけでは足りません。
1回ごとの質が、合格までの速度を大きく左右します。
多くの繰り返し派の方が見落としているのが、実は、この「質」の部分です。
勉強はインプットではなく、インプット+アウトプット
多くの方は、勉強を「インプット(覚えること)」だと思っているかもしれません。
しかし、試験本番で求められるのはアウトプットだけです。
覚えたことを「引き出す」ことしか、試験では問われません。
だとすれば、日常の勉強の中から、インプットとアウトプットをセットで意識してやることが重要です。
そのための具体的な方法が、三感(視覚・聴覚・触覚)のフル動員です。
視覚:設問の字を見る、自分の字を見る
設問を読むとき、ただ目で追うだけでなく、字形をしっかり見ることが重要です。
テキストの正しい字を見る。
そして自分が書いた字を見て、正しい字形と比べる。
このプロセスで、頭の中に字の「映像」が焼き付いていきます。
感覚的に言うと、頭の中で「写メを撮る」ような感じです。
試験本番で「あの字、こんな形だったな」と映像で思い出せるのは、この積み重ねのおかげです。
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ところで、ちょっと蛇足かもしれませんが、テキスト100回の最初と2回目の通しのときは、漢字の形をしっかり確認します。
間違って漢字の形を覚えていたということは、ままあることなんです。
たとえば、応募の「募」と、寡聞の「寡」の字。
「募」のほうの下の部分は「力」です。
一方、「寡」のほうの下の部分は「刀」です。
上に出る・出ない、こういう細かい部分をしっかり確認。
一度はしっかり確認しようということ。
意外に、覚え違い・間違いってあるものなんです。
自分の覚え違いは自分では気づきにくい。
だからこそ、通しの1回目・2回目では、設問の漢字をガン見してくださいね。
聴覚:声に出して読む
漢字を書かない問題(読み・熟語の構成・四字熟語の意味など)については、必ず声に出して読みます。
黙読で終わらせてはいけません。
声に出すことで、耳からも情報が入ってきます。
繰り返し派の方が見落としがちなのが、この「声に出す」というステップです。
なぜ効果があるのか。
それは、記憶の「引き出しトリガー」が増えるからです。
声に出して覚えた記憶は、声という経路でも引き出せるようになります。
つまり、試験本番で「あの読み方、声に出して何度も言ったな」という感覚で答えが浮かんでくることがあります。
これが聴覚のトリガーです。
「四字熟語」などは、テキストに意味も書いてありますので、それを黙読するだけでなく、声に出してよみましょう。
触覚:実際に書く。A3サイズの大きな字で
別記事でも書いたのですが、実際の試験の解答用紙はA3サイズ、結構大きい。
なので、これまた別記事でお薦めした「漢検公式 過去問題集」に付録としている実物大解答用紙をコンビニでコピーなどして過去問題解答に使うとともに、実際に書くべき文字の大きさも確認しましょう。
そして、普段から、その大きめの漢字を書くようにします。
さらに、言うまでもないかもしれませんが、漢字を書く問題(書き取り・対義語・類義語・同音同訓異字など)については、必ず実際に紙に書きます。
空書きはNGです。
頭の中で字を思い浮かべるだけもNGです。
紙に書いて初めて、手が「書ける」を覚えます。
書くときは、一角一角を意識しながら書いてください。
最初のうちはゆっくりでかまいません。
何巡もすると、意識しなくても手が動くようになります。
それが「体の記憶」として定着した証拠です。
三感(視覚・聴覚・触覚)が記憶のトリガーを増やす
視覚・聴覚・触覚の三感でインプットすることには、神経科学的な裏付けがあります。
複数の感覚を同時に使って学習すると、脳の異なる領域が同時に活性化されます。
これを「マルチモーダル学習」と呼びます。
複数の感覚経路で記憶を形成することで、記憶のネットワークが強化され、定着率が格段に上がることが研究で示されています。
つまり、三感を使って覚えた記憶は、三つの経路から引き出せます。
試験本番でど忘れしたとき、「書いたときの感覚」「声に出したときの音」「見たときの映像」のどれかが引き出しのきっかけになる。
これが三感フル動員の本質です。
レ点のやり直しのときも、マーカーのやり直しのときも、この三感フル動員は毎回徹底してください。
最初の頃は、意識的にやってみましょう。
その5〜本は汚してなんぼ!!
ここまで読んでいただいた方の中に、「レ点を書く」「マーカーを引く」「書き込みをする」ということに抵抗を感じた方がいるかもしれません。
「本は綺麗に使いたい」「書き込みはしたくない」というポリシーの方です。
その気持ちはわかります。
でも、漢検2級のテキストに限っては、勇気と確信をもって、そのポリシーを手放してください。
きれいな本は、何も教えてくれない
書き込みがない、レ点がない、マーカーもないテキスト。
それは「まだ本気でやっていない」証拠です。
どこを何回間違えたか。どこが弱点か。どこが克服できたか。
これらは、書き込みなしには見えてきません。
書き込みは、あなたと漢検2級の「対話の記録」です。
ボロボロのテキストが最強の教材
何巡もやり込んだテキストは、ボロボロになります。
表紙が折れ、ページが波打ち、レ点とマーカーだらけになる。
それが最強の教材です。
そのボロボロのテキストには、あなたが間違えた記録、克服した記録、何度もつまずいた記録が全部詰まっています。
試験直前に開いたとき、そのテキストは「あなただけの合格マニュアル」になっています。
20年前の私のテキストも、そういう状態でした。
ボロボロになればなるほど、間違い無く、合格に近づきます。
まとめ
漢検2級合格の肝は、約3ヶ月こつこつ続けること。
この記事でお伝えした100回繰り返しは、その「続ける」を仕組み化を解説したものです。
仕組み(レ点→マーカー→総ざらい)と質(三感フル動員)の両方が揃って、初めて繰り返しが機能します。
レ点が減り、マーカーが消え、チェックがゼロになっていく。
その過程が、そのままワクワクになります。
テキストをボロボロにしながら、しっかり目で見て、声に出して、書きまくってください。
それが、漢検2級合格への最短ルートです。
- 100回繰り返しとは、通し・部分・総ざらいの組み合わせ。気づけば100回になっている
- レ点→マーカー色①→マーカー色②と層を重ねることで、弱点が精度よく絞り込まれる
- 勉強はインプットとアウトプットのセット。日常の勉強から引き出し練習をしておく
- 三感(視覚・聴覚・触覚)フル動員で、記憶の引き出しトリガーを増やす
- ボロボロになったテキストこそ、あなただけの最強の合格マニュアル


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